最近、ニュースで「クマ出没」の話題を見ない日はないほど、各地で被害や目撃が相次いでいます。
市街地への出没も増えており、「もし自分が遭遇したら…」と不安を感じ、熊スプレーの購入を検討している方も多いのではないでしょうか。
熊スプレーは、熊からの攻撃を守る頼もしいアイテムです。
しかし、熊スプレーの需要が急増する中で、効果のないニセモノも数多く出回っているそうです。
こうしたニセモノを選んでしまうと、いざというときに使いものにならず、命を落としてしまう危険もあります。
本記事では、ニセモノを選ばないためのポイントや、熊撃退スプレーが買えるショップを紹介します。
熊スプレーは効かない?実際の効果は
熊スプレーは、正しい製品を適切に使えば高い効果が期待できます。
実際に、熊に遭遇したものの、熊撃退スプレーを使用したことで、命を救われた事例もあります。
北米では90%以上の確率でヒグマの攻撃を止めた効果があるとの報告もあり、絶対ではないものの、熊から命を守るのに非常に有効なアイテムと言えます。
一方で、2025年8月には熊スプレーを所持しいていたものの、ヒグマに襲われ助からなかったという悲しい事故も発生しています。
では、やはり熊撃退スプレーは、効果がないのかというと、被害に遭われた方が所持していた製品は、「熊撃退スプレー」を謳ったニセモノだったのではないかと言われています。
実は、熊に襲われた際、所持していた熊スプレーの噴射を試みたものの、再利用品であったため噴射できていなかったとの報道がありました。
また、このスプレーはヒグマに対応したものでもなかったそうです。
【熊スプレー】ニセモノが続出?
「熊スプレーを所持していても、いざというときに使えない」「効果がない」というのは、まったく無関係の話ではないかもしれません。
というのも、最近は熊の出没が相次ぎ、熊スプレーの需要が急速に高まっている一方で、熊の撃退には効果のない悪質なニセモノも多く出回っているそうです。
本物とニセモノ、どう見分ける?購入時に確認すべきポイント
では、ニセモノを選ばないためには、どうすればよいのでしょうか。
大事なのは、EPA認証製品であるか、またはEPA基準を満たしているか確認することです。
実は、日本には熊スプレーに関する、明確な認証基準がありません。そのため、効果が不確かな製品も、熊スプレーとして販売されているのが実情です。
その点、アメリカではEPA(環境保護庁)により明確な製品基準が設けられており、EPAが認証した製品のみがクマスプレーとして販売されています。
EPAの定める熊スプレーの製品基準は以下の通りです。
- 射程:7.6m以上
- 噴射時間:6秒以上
- 内容量:225g以上

また、熊スプレーにはクマの撃退成分としてカプサイシンが含まれているのですが、カプサイシン濃度はEPAの上限基準2%の製品が多いそうです。
販売店や口コミもチェックしよう
また、正規品のラベルをコピーした模倣品も出回っているそうなので、注意が必要です。
次のような点も確認しておくと、より安心です。
- 信頼できる販売元であるか
- 不自然に価格が安くないか
- 日本語が不自然ではないか

口コミも確認しておきましょう。
熊スプレーはどこで買える?
熊スプレーは、店舗でもネットでも購入することが可能です。
主な販売店は以下の通りです。
■店舗
- コメリ
- カインズ
- モンベル
- 好日山荘 など

登山・アウトドア専門店、ホームセンター等で販売されています
■ネット通販

モンベル等、各ショップのオンラインサイトでも販売されています
いざというときに備えて。練習用スプレーで使い方を確認しておこう
熊スプレーを所持していても、いざというときに正しく使用できなければ意味がありません。
実際の熊スプレーと同じ操作を体験でき、噴射距離や噴射時間も確かめられる、練習用スプレーとセットになっているものも販売されています。
不安な方は練習用スプレーで操作感を確かめておきましょう。
なお、練習用スプレーはあくまで使用手順や感覚をつかむためのもので、熊を撃退する効果はないので、注意してください。
熊スプレーを携帯し、もしもの時に備えよう
熊スプレーは、正規品を適切に使えば高い効果が期待できる頼もしいアイテムです。
実際に命を救った事例もあり、「所持しているかどうか」が生死を分けることもあります。
2025年7月~9月に発生したクマによる人身被害のうち、約7割が市街地や人の生活圏で発生しており、誰にとっても“突然の遭遇”は起こり得る時代になっています。
万が一の事態に備えて、熊スプレーを準備しておきましょう。
